Trash and No Star

本、時々映画、まれに音楽のレビューブログ。沖縄、フェミニズム、アメリカ黒人史などを中心に。

2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧

中村隆之『ブラック・カルチャー』書評|変わりゆく同じもの

未来は過去から生み出される。 だが、帰るべき故郷は奪われ、過去とのつながりはすでに失われている。 この、断絶。あまりにも深い断絶。 それでもなお、そこで「帰還」が主題化されるとき、彼らはいったいどこへ帰れるというのだろう? あるいはそこは、現…

速水健朗『都市と消費とディズニーの夢』書評|完全な理想都市の残滓として

にわかに再燃した(自分だけかもしれないが)ショッピングモール論争を受けて、真っ先に思い出したうちのもう一冊がこの本だ。 先に紹介した東浩紀と大山顕の対談本『ショッピングモールから考える』と同じく、「思想地図β」文脈による新書で、著者はライタ…

CHICO CARLITO『Sandra's Son』『Grandma's Wish』レビュー|ラッパーと地元(沖縄篇④)

ヒップホップには「母ちゃんラップ」の系譜がある。 もうちょっと格好つけて言うと「Rap Song About Mom」ということになるのだが、言葉のチョイスはサイプレス上野とロベルト吉野の"Dear MaMa"に倣い、いったん「母ちゃんラップ」で進めてみることにするが…