1000字書評ブログ “Trash and No Star”

字数制限1000字での書評ブログです。月に2度の更新が目標。テーマによっては、音楽や映画も扱います。

【アメリカ文学】

荒このみ『黒人のアメリカ』書評|特集「ロング・ホット・サマー」5冊目

この短いタイトルを見て、本書が「アメリカ黒人に関する文芸評論」だと想像できる人がどれだけいるだろう。むしろ表紙の紹介文を読んで、『アメリカ黒人の歴史』のような通史ものを期待する人もいるのではないか。今や重版されていないようだが、タイトルの…

レイモンド・カーヴァー『ささやかだけれど、役にたつこと』書評|いい事ばかりはありゃしない

最後にいい事があったのは、一体いつだろうか。思い出せない。明日、いい事が起こるなんてことも、別に期待していない。人生の大きな抽選からはすでにあぶれてしまったし、サクセスストーリーの最終電車からもとっくの昔に降りてしまった。この人生がどこに…

『フォークナー短編集』書評|あたしは黒人にすぎないんだわ。そんなこと、あたしの罪じゃないけど

なすすべもなく、大きな力に押し流されていく南部の人々。もたらされる復讐。あるいは破滅。誰にもそれを止めることはできない。まるで最初からそうなることが決まっていたみたいに。南北の分断により傷んだアメリカ、人種主義、奴隷制、女性嫌悪、愛と憎し…