The Bookend

本、時々映画、まれに音楽。沖縄、フェミニズム、アメリカ黒人史などを中心に。

〔集英社〕

S.マーフィ重松『アメラジアンの子供たち』書評|それでも一緒くたにできないもの

アメリカ系沖縄人を含む、「アメラジアン(AmerAsian)」を象徴的に語らないこと。というかそれ以前に、彼ら・彼女らの存在や、経験を、一緒くたにしないこと。と同時に、「アジア国籍を持つ母親」と「アメリカ国籍を持つ父親(多くの場合、軍関係者)」との…

雨宮処凛『「女子」という呪い』書評|うかつに女なんかやってらんない

読みながら、せめて2004年くらいの本であって欲しいと思っていたが、2018年の本だった(元の連載は2012年開始)。回想が多いとは言え、衝撃的である。社会は本当に、少しでもマシになっているのだろうか。まったく自信がなくなるような一冊である。 そう、こ…

山里絹子『「米留組」と沖縄 米軍統治下のアメリカ留学』書評|戦後沖縄の複雑さとしたたかさ

これもまた越境者たちの物語だ。戦後の沖縄で、「沖縄」と「アメリカ」を隔てる境界線を跨ぎ、迷いながらも往復した者たちの物語だ。 タイトルの「米留」とは、文字通り米国への留学を指す。この制度が米軍政府によって設立された1949年前後といえば、米軍に…