Trash and No Star

本、時々映画、まれに音楽。沖縄、フェミニズム、アメリカ黒人史などを中心に。

宮台真司

宮台真司『終わりなき日常を生きろ』書評|「1995年」の診断書、としてではなく

およそ10年ぶりの再読。最初に読んだ時は、「終わりなき日常」や「さまよえる良心」といった言葉の強さに惑わされる一方で、社会があっという間に「診断」され、問題の解決策が「処方」されるまでの圧の強さ、他者に対する断定的なフレーミングへの拒否感が…

仲村清司・宮台真司『これが沖縄の生きる道』書評|残り半分の責任はどこに

「沖縄問題の半分は沖縄人の責任でもあって、それを沖縄人自身が自覚しないと、多くのことは解決できないだろうと思います」という宮台の発言に本書の意図は凝縮されている。読者の反応を試すようだが、しかしこれ自体、宮台の言う〈感情の釣り〉そのもので…

東浩紀・宮台真司『父として考える』書評|むずむずの先こそが読みたかった

そろそろ卒業かなー、などと思いつつ、『思想地図』の「vol.4」の見納めをしていたら、「父として考える」という対談原稿が目に留まった。語り手は東浩紀と宮台真司。説明無用のビッグネーム二人が、 育児をネタにあれこれ語っている。 好評だったらしく、新…