1000字書評ブログ “Trash and No Star”

字数制限1000字での書評ブログです。月に2度の更新が目標。好き嫌いにかかわらず、読んだ本はすべて書評します。

【育児・子育て】

上野千鶴子『女の子はどう生きるか』書評|せめて女の子の翼を折らないために

この国で、女の子として育ち、生きるということ。そして、この国で、女の子を育てるということ。それがこんなにも、ハードなことだとは思わなかった。ウンザリするようなニュースの山、山、山。その気付きは同時に、自分がこれまで出会ってきた女性たち全員…

ECD『他人の始まり 因果の終わり』書評|命日に寄せて

人生は一回で、後戻りできない。その残酷さ。そして、その横を淡々と流れていく「時間」のさらなる残酷さ、そのようなものが感じられる。文章そのものが、止まることのない「時間」みたいだ。とにかく寂しい本だった。 ラッパー、ECD。 3年前の今日、亡…

植本一子『働けECD わたしの育児混沌記』書評|「たまにはひとりになりたい自分」を認めたあとに

今からこの本を読もうとするとき、私たちはすでに二つの結末を知っている。つまり、2011年3月11日に何が起きるのかを。そして、この本で妻に「石田さん」と呼ばれている男が、やがて娘たちの成長を見届けられなくなってしまうことを。 しかしそのことは、本…

東浩紀・宮台真司『父として考える』書評|むずむずの先こそが読みたかった

そろそろ卒業かなー、などと思いつつ、『思想地図』の「vol.4」の見納めをしていたら、「父として考える」という対談原稿が目に留まった。語り手は東浩紀と宮台真司。説明無用のビッグネーム二人が、 育児をネタにあれこれ語っている。 好評だったらしく、新…

松田道雄『定本 育児の百科(上)』書評|育児をサボる権利

育児をサボる権利。上野千鶴子らが編んだ『戦後思想の名著50』にも収録された本書に「思想」があるとすれば、私はそのように呼びたい。育児の現場において、本書を貫く「楽観」に助けられたのは一度や二度ではない。我が家ではどうにか、この上巻の「2周目…