Trash and No Star

本、時々映画、まれに音楽。沖縄、フェミニズム、アメリカ黒人史などを中心に。

濱口竜介

濱口竜介監督『悪は存在しない』映画評|すべてが何かの原因であり、すべてが何かの結果である

きっとこれは繰り返されることになるだろうと瞬時に確信する、あまりにも暗示的な冒頭のショット。 森の木々を地面から見上げる大俯瞰が滑らかに水平移動していくだけといえばだけなのだが、影絵のように浮かび上がる木々の黒い枝はあまりにも禍々しく、また…

濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』映画評|重層的な仕掛けで訪れる静かなカタルシス

(画像は公式サイトから転載) これは村上春樹作品の「完全な」映画化である。抑揚を欠いたトーンで、書き言葉を話す無表情な人間たち。繰り返される内省と、何度も行き着く袋小路。「僕」と、どこか「霊的な」女。そういった村上春樹的なものをそのまま映画…