Trash and No Star

本、時々映画、まれに音楽のレビューブログ。沖縄、フェミニズム、アメリカ黒人史などを中心に。

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

RITTO『AKEBONO』『Mi far Yu』音楽評|ラッパーと地元(沖縄篇③)

Rittoが2021年の2.24音楽祭でトリを務めた時の印象が今でも強く残っている。特に、最後の曲が"NINGEN State of Mind pt-II"であることに暗黙の期待と合意があるように感じられて、Rittoというラッパーが、あるいはこの曲が、沖縄のミュージック・ラバーたち…

川村湊編『現代沖縄文学作品選』書評|「沖縄文学」とは何か

「沖縄文学」というものは存在するのだろうか。編者である川村湊の解説文は、そのような問いかけで始まる。 本書に収められた10篇のみならず、主に近代以降の沖縄で書かれた文学作品を概観しながらその類型化を試みつつ、沖縄的なるものを抽出していく作業は…