2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧
" data-en-clipboard="true"> 静かに野心的な本だ。雑誌『民話』に連載された当時のタイトルが「年寄たち」であったことが象徴的である。それが「忘れられた日本人」になったのだから、本書が一冊の本として発行された目的は明白だ。その差分、つまり「忘れ…
苦闘の書だ。著者、上野千鶴子の1990年代は、いわゆる「慰安婦問題」に捧げられている。本書はその総決算なのだが、達成感らしきものはどこにもない。 本書が戦いを挑んでいるのは、「ただひとつの真実」、「決定版の歴史」を求める人々の欲望である。端的に…
告知するほどの読者もいない、生まれたてのブログではありますが、引っ越しの告知でございます。 私は、note株式会社が、コンテンツ配信サイト・cakes(ケイクス)において、『ホームレスを3年間取材し続けたら、意外な一面にびっくりした』という記事を、「…
岩波から出ている上野千鶴子の学術本かあ、と怯むことなかれ。特に社会科学の訓練を受けたことのない筆者でも読み通すことができたのだから、さしあたり必要なのは問題意識である、と言っておきたい。 筆者の場合、それは「妻との育児・家事分担」であった。…
それはとても迷いながら書かれた本のように思えた。上間陽子の『裸足で逃げる』のことだ。沖縄の風俗業界で働く女性たちの聞き取り調査を、何本かの物語として切り出したものだが、告発に乗り出す正義感とはまったく異なる熱量で、それは書かれていた。 著者…
気の利いた、洒落た文章が好きだ。風流な表現があればつい真似して使ってしまうし、ありふれた表現はできる限り避けたい。村上春樹の小説に、ケルアックの小説を線を引きながら読んでる女の子が出てくるが、あれは私のことだ。 内容なんてろくに読んじゃいな…