Trash and No Star

本、時々映画、まれに音楽。沖縄、フェミニズム、アメリカ黒人史などを中心に。

佐々木マキ

村上春樹『1973年のピンボール』書評|でも過ぎてしまえばみんな夢みたいだ

「この程度のもので文学と思ってもらっては困る」。著者のデビュー作『風の歌を聴け』を評して、ある高名な文芸批評家が放った言葉だそうだ。それが誰だったのかはあまり興味もないので調べていないが、ともかく著者は、その酷評にまったく反撥も感じず、腹…

書評ブログのおすすめ絵本紹介|佐々木マキ『まじょのかんづめ』(福音館書店)

女の子と犬の飄々とした表情がなんとも可愛らしい。驚くときは驚き、ホッとするときはホッとする。表情が素直なのだ。それでいて、オーバーな感じはまったくない。ちょっと悪いことをしている時のソワソワ感や、ちょっと怖いけどやめられないんだという好奇…