Trash and No Star

本、時々映画、まれに音楽。沖縄、フェミニズム、アメリカ黒人史などを中心に。

〔平凡社〕

リロイ・ジョーンズ『ブルース・ピープル 白いアメリカ、黒い音楽』書評|特集「ロング・ホット・サマー」7冊目

私たちがブラック・ミュージックと呼ぶ音楽の「黒さ」を、音楽家の肌の色以外のものに還元しようとする時、そこには何が残るのだろうか。 本書が見出すのは、アメリカ黒人固有の経験からもたらされる「ブルース」という感覚である。「黒人の魂の深み」という…

下地ローレンス吉孝『「ハーフ」ってなんだろう?』書評|悪気なく誰かを傷つけてしまう前に

「ハーフの子みたい」と、うちの娘がよく言われる。それも初対面の相手に、おそらくは悪気なく。誰も幸せにならないコメントだと、本書を読んだ今ならば断言することができる。この「悪気はない」というのが厄介だ。こうした日常の一場面こそ、「ハーフ」と…