【文芸評論】
平置きされていたわけでもないのに、何となくタイトルと目が合った。副題に入っている『ジェイン・エア』はおろか、『赤毛のアン』も、『若草物語』も、『あしながおじさん』さえも読んだことがないのに、先日読んだ『お姫様とジェンダー』の問題意識を継ぐ…
娘にどう育って欲しいかなんて別にないし、日々の生活で手一杯だと思う一方、読書の中で「文化資本」などという言葉が目に入ると、やはり環境は大事なのかしらなんていう邪な気持ちが芽生えてくる。 しかし親が子どもの接する文化を検閲するのはむしろ人生を…
この短いタイトルを見て、本書が「アメリカ黒人に関する文芸評論」だと想像できる人がどれだけいるだろう。むしろ表紙の紹介文を読んで、『アメリカ黒人の歴史』のような通史ものを期待する人もいるのではないか。今や重版されていないようだが、タイトルの…
「占領」という言葉に含まれた暴力性について考える。その言葉が意味するところの実際の光景や、その場を支配していたはずの絶望や緊張を想像しようとする。「占領」があるからには、その前に戦争があり、「敗戦」という形での終結がある。戦争の一部であり…