Trash and No Star

本、時々映画、まれに音楽。沖縄、フェミニズム、アメリカ黒人史などを中心に。

【戯曲】

サミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』書評|演劇が終わっても人生は続く

二人の男が、「ゴドー」なる人物を待っている。一本の木の前で、土曜日に待ち合わせ、という約束になっていた。しかし、ゴドーは一向に現れない。いつまで待ってもやってこない。 次第に二人は、昨日もここに来て、こうして同じように待っていたような気がし…

チェーホフ『ワーニャおじさん』書評|霞ゆく人生の蜃気楼

近代戯曲とは言え、100年以上も残っているチェーホフの古典を素朴に読んで、素朴な感想をインターネットで書き記すことに、いかなる意味があろうとも思わない。すでに莫大な量の研究、評論が存在しているはずであり、書評と称するからには、まずはそれらの基…