Trash and No Star

本、時々映画、まれに音楽。沖縄、フェミニズム、アメリカ黒人史などを中心に。

寺尾紗穂

寺尾紗穂『北へ向かう』音楽評|出会ってしまうことと、別れてしまうこと

私は寺尾紗穂の理想的なリスナーではないなと、今さらながらに思う。もちろん、音楽以外の活動でも忙しくしている人で、何冊か本を出しているのは知っていたし、いくつかの楽曲が実際の「支援」に近い場所から作られていることも知っていた。つもりだった。…

寺尾紗穂『南洋と私』書評|たよりないもののために

シンガー・ソングライター、寺尾紗穂による南洋・サイパンの、日本統治時代の「記憶」をめぐる聞き書き――。本書を最小限の労力で要約するとそうなる。ここにどのような価値や、彼女の音楽活動との整合性を見出せるかは、もっぱら読者の感度にかかっている。 …