Trash and No Star

本、時々映画、まれに音楽。沖縄、フェミニズム、アメリカ黒人史などを中心に。

#音楽評

書評ブログのおすすめ音楽紹介(Best of 2023:お気に入りの洋楽ポップス10曲)

このブログも地味ながらなんとか3周年まできたわけで、たまには息抜きというか、年末感のある軽い更新もいいかなと思い、Twitterとかでは定番の、「Best of 2023」的な企画をやってみようかと思います。何をどこまでまとめるかは全然決めてないけど、まずは…

戦争と沖縄――あるいは「ひめゆり」の詩を聴きながら

ここ最近、沖縄戦、特にひめゆり学徒隊関係の本を何冊かまとめて読んだ。 その感想はブログにも毎回アップしてきたが、客観的に見れば、私の書いた文章はどれもベタで、情緒的に過ぎたかもしれない。個人の体験に没入するあまり、フォーカスすべき構造的な問…

Awich『Queendom』音楽評|ラッパーと地元(沖縄篇②)

「This is my revenge」と、2020年のミニ・アルバム『Partition』からの再録でもある「Revenge」で、Awichは何度も繰り返している。躊躇いを感じる、というほどではないが、冒頭の3曲で強調されたアルバム全体の挑発的なトーンと比べると随分と控えめな発声…

寺尾紗穂『北へ向かう』音楽評|出会ってしまうことと、別れてしまうこと

私は寺尾紗穂の理想的なリスナーではないなと、今さらながらに思う。もちろん、音楽以外の活動でも忙しくしている人で、何冊か本を出しているのは知っていたし、いくつかの楽曲が実際の「支援」に近い場所から作られていることも知っていた。つもりだった。…

唾奇『道 -TAO-』音楽評|ラッパーと地元(沖縄篇①)

夕陽を全身に浴びたようなメロウ・ギター。ダーティなのに内省的なリリック。淡々と進行するビートに身を任せ、タイトル・トラックの「道 -TAO-」を聴いていると、目の前の日々を、人生を、いろんなものに力を借りながらどうにかやり過ごしている若者たちが…