Trash and No Star

本、時々映画、まれに音楽。沖縄、フェミニズム、アメリカ黒人史などを中心に。

2024-01-09から1日間の記事一覧

村上春樹『1973年のピンボール』書評|でも過ぎてしまえばみんな夢みたいだ

「この程度のもので文学と思ってもらっては困る」。著者のデビュー作『風の歌を聴け』を評して、ある高名な文芸批評家が放った言葉だそうだ。それが誰だったのかはあまり興味もないので調べていないが、ともかく著者は、その酷評にまったく反撥も感じず、腹…